神奈川法律事務所 刑事事件の弁護士ブログ

2018年

8月

22日

児童買春と示談

 児童買春(1件、前科前歴無し)の事案で、弁護士が依頼人に対し、「示談すれば起訴猶予になる」と説明することがあるようです。

 しかし、児童買春事案では、示談が起訴・起訴猶予に影響することはないのが通常です。こうした硬直的な運用に合理的な理由があるとも思えませんが、立法経緯における議論の影響からか、そのような運用がされています。

 痴漢、器物損壊、傷害、窃盗など、個人法益を侵害する罪においては、示談することで起訴猶予になるケースは多いですから、「示談すれば起訴猶予になる」と説明した弁護士は、これらの犯罪と同じように考えてしまったのでしょう。(彦坂)

2015年

12月

21日

中原警察に接見に行ってきました。

先日、受任している刑事事件で、中原警察署に接見に行きました。中原警察署は、東横線の武蔵小杉駅から徒歩5分程度、JRの武蔵小杉駅からも徒歩7~8分の比較的駅近にあります。警察署は、最寄り駅から遠いところも多く、例えば、横浜の戸塚警察、川崎の川崎臨港警察、小田原の小田原警察、相模原の津久井警察などは最寄り駅から徒歩は非常に困難です。

ちなみに、中原警察署の近くのラーメン屋には、三匹のこぶた麺、というカワイイ名前のメニューがあり非常に気になっているのですが、接見の後、事件のことで頭が一杯になってしまい、いつも行くのを忘れてしまいます。
                                      <早川>

2013年

11月

04日

傷害事件で示談そして不起訴。

その方とは、ある法律相談で出会いました。

 

傷害罪で逮捕され、そして、いったん釈放され、その足で法律相談にいらっしゃったとのことです。そして、事件当時お酒に酔っていたとのことで、とても反省していて、今後の処分についてとても不安に感じているようでした。

私は、今後の手続きの流れを説明した上で、この事件では、被害者と示談をすることがとても重要であることをお伝えしました。この時点では、まだ何の解決もしていませんが、方向性が見えたため、ご相談者の不安がかなり解消されたようでした。

 

そして、さっそく相談の翌日には、被害者の方に電話し示談の申し入れをしました。被害者の方への示談の申し入れは、これまで数多く経験していますが、決して慣れることはありません。毎回緊張します。それは、示談の成否が刑事処分(起訴不起訴、量刑)に大きく影響することが多い一方で、被害者の方は犯罪に巻き込まれて怪我をするなどの理不尽な目に遭っており、当然ながらその被害感情は強く、小手先のテクニックなどは通用しないからです。

今回も大変緊張しましたが、被害者の方のお話を真摯にうかがい、こちらの事情もご説明することで、被害者の方にご理解いただき、無事示談していただくことができました。

 

そして、検察官に対し、示談を報告するとともに、不起訴処分にするように申し入れを行ない、結果、不起訴処分を獲得することができました。

不起訴処分をご依頼者にお伝えすると、ご依頼者は本当にホッとしたご様子でした。

今回のような傷害だけでなく、刑事手続において示談は非常に重要です(特に痴漢、盗撮、強制わいせつ等)。当事務所の弁護士は、示談経験が豊富です。まずは、ご相談ください。

<早川>

2013年

11月

04日

私選弁護と国選弁護

 以前、ある国選事件を担当したとき、被告人の方から言われたことがあります。

 「傍聴してた友人から(※刑事裁判は誰でも見ることができます。法廷で裁判を見ることを「傍聴」といいます。)、『おまえの弁護士、ほんとうに国選なの。こんなの見たことない。』と言われました。先生、しっかりした弁護活動をしていただいてありがとうございました。」

 依頼者が、法廷技術や弁護活動に対して感謝してくれることは、弁護士冥利に尽きます。ありがたいことです。

 ただ、国選であれ、私選であれ、ひとたび弁護人となれば、最善の努力をするのは当然のことです。彼や彼の友人のように、何度か刑事裁判を経験した人の中には、「国選弁護人はしっかりやらないものだ」という印象を持っている人が少なくありませんが、そのような印象が払拭されるような弁護活動を続けていきたいと思いました。(彦坂)

2013年

7月

22日

被疑者弁護

 2ヶ月前のことになりますが、若者の傷害被疑事件の弁護人に選任されました。

 酔った客等の複数人が言い争いの末に喧嘩になった事件で、複数の被疑者が逮捕勾留され、接見禁止がつけられて、被害者は日本語が話せない外人、という若干やっかいな事件でした。

 瀬谷警察署へ土曜日も接見に行き、差し入れをしたり励ましたりしながら、被疑者の不安と孤独を紛らわせつつ弁護活動をしていたところ、関係者の尽力によって示談の見通しが立ち、被疑者は勾留延長されることもなく10日で釈放されました。

 釈放された被疑者から事務所へ連絡を貰った時の元気な声が、今も耳に心地よく残っています。  (上升)

2013年

7月

03日

座間警察署⇒相模原警察署

先日、ご家族のご依頼で、相模原警察署に勾留されている方への接見要請がありました。

さっそく、接見に行こうと相模原警察署に問い合わせたところ、捜査(取調べ)のために座間警察署に行っていて不在との回答でした。
夕方になれば戻ってくるので相模原警察署で接見もできます。しかし、虫歯の治療と接見は早ければ早いほどいいと思うので、座間警察署に連絡して、座間警察署での接見を申し入れました。
そして、座間警察署に向かっていたところ、座間警察署から電話があり、「取調べが終わり、これから相模原警察に身柄を戻したい。」という連絡がありました。
地理的に考えても接見開始時間が殆ど変わらないため、相模原警察署でじっくり時間をかけて接見した方がよいと判断し、相模原警察署で接見することにしました。
ちなみに、横浜地方裁判所川崎支部は川崎市のみを管轄にしていますが、横浜地方裁判所相模原支部は、相模原市だけでなく座間市も管轄にしています。

神奈川法律事務所では、相模原市、座間市内の警察署の事件についても取り扱っておりますので、まずはお電話ください。可能なかぎり迅速な接見を行ないます。

(早川)

2013年

7月

02日

元依頼者からの電話

 先日、元依頼者の方から事務所に電話がありました。電話があったとき、私は事務所を不在でしたので、事務所にもどってすぐに彼に電話しました。就職が決まったので、その報告に、ということでした。こういうお話はとてもうれしいものです。

 彼の事件は、起訴後に受任したのですが、判決まで約半年かかった事件でした。都筑警察署(横浜市営地下鉄・センター南駅)に何度も接見にいき、その度に彼といろいろな話をしました。「彼は変わった。以前の彼ではない。彼を刑務所に入れるべきではない。」私は、心の底からそのように思い、横浜地方裁判所の法廷で、そのように最終弁論をしました。彼には執行猶予付き判決が言い渡され、彼が刑務所に行くことはありませんでした。本当によかった、彼からの電話で改めてそう感じました。(彦坂)

2013年

6月

30日

日曜日の接見

 これから、川崎臨港警察署に接見です。弁護士も土日は休みをとることが多いので(警察官や検察官も基本的に土日はお休みで、土日は取調べがないことが多いです。)、日曜日は、接見に待たされるということがあまりありません。新しく建てられた警察署の場合は、接見室(面会室)は複数であることがふつうですが、川崎臨港警察署のように古い警察署は、接見室が1個しかないことが多いのです。接見したい弁護士がほかにいた場合、早い者勝ちなので、接見したいときにすぐに接見できるとは限らない場合もあります。(彦坂)

 

2013年

6月

19日

高津警察署へ

今日、依頼人の方から接見要請がありましたので、さっそく、高津警察署に行ってきます。高津警察署の最寄り駅は、田園都市線の高津駅ですが、最近運動不足気味なので、溝の口駅から歩くことにします(徒歩10分くらいです)。では、行ってきます。<早川>

2013年

6月

18日

「被害者」情報の開示(4)

 報道によると、この事件では、被害者とされる女性の住所が書いてある証拠が、弁護人に開示されました。弁護人は、女性の住所をマスキング処理しないで、被告人に開示したようです。

 この女性は法廷で証言したので、裁判所は、その供述が記載された調書(証人尋問調書)を作成しました。証人尋問調書には、証人であるその女性の住所が書いてあります。調書は弁護人に開示され、弁護人は、女性の住所をマスキング処理しないで、被告人に開示したようです。

 証拠や調書をマスキングしないで依頼者に開示したことについては、弁護士の中にも、この事件の弁護人を非難する人がいます。

 こういった非難は、あまり刑事事件を扱ったことのない弁護士に多いようです。

 しかし、報道されている事実だけで、弁護人と依頼者との信頼関係や、事件の性質、審理状況に関する詳細な情報がないなか、この事件の弁護人を非難することは、弁護士として、無責任なことと思います。

 本件は、被害者とされる女性の供述の信用性が争われている事件と思われます。依頼者の言い分によれば、被害者とされる女性は、「自称被害者」であって、その供述はでたらめであり、そのために、無実の自分が犯罪者として刑務所に送られそうになっている、ということなのかもしれません。弁護人は、女性に対する反対尋問において、その証言を徹底的に弾劾しなければなりません。仮に、そのような状況だったとして、弁護人が、相手方から求められてもいないのに、勝手に、その「自称被害者」の心情を慮って、証拠を黒塗りにして依頼者に渡す、ということが、弁護人のすべきことなのか疑問です。「先生、どうしてこれ、黒塗りなんですか?」「別に、相手からあなたに知らせないように求めがあったわけではないけど、私が、彼女の心情を慮って、あなたに知らせないようにしたんだよ。」「先生は私の味方なんですか・・・?」そんな光景が目に浮かびます。

 報道によれば、この事件の弁護人は、マスキング処理しなかったことについて、「弁護人は被告人のために仕事をする。」と答えたといいます。

 私は、この弁護人が誰か知りませんが、この弁護人の発言には敬意を表したいと思います。

 私の尊敬する刑事弁護人が、「弁護人は、依頼者(被告人)に寄り添うもの。彼の味方であって、偏った存在でなければならない。弁護人は、裁判官ではない。公平な第三者ではない。」と言っていたのを思い出します。

 私は、弁護人が依頼者に開示するかどうかについて、正解はないと思っています。

 刑事訴訟法299条の3による制限があるとも思われない、すくなくとも、検察官は求めていない。そうであれば、これを依頼者に開示するかは、個々の弁護人の判断にゆだねられるべきです。(彦坂)

 

 

2013年

6月

18日

「被害者」情報の開示(3)

 報道によれば、被害者とされる女性は、

  • 検察官から、「被告人は拘置所に入っているから大丈夫でしょう。」などと言われ、傷ついた。
  • 「被告は拘置所にいても、外に出る同房の人間に頼んで危害を加えるかもしれない。」と思っており、夫と子ども2人とともに引っ越すことにした。
  • 「何も悪いことをしていない私たちが追い出される。」「なぜ、こんな怖い想いをしないといけないのか。」と述べている。
  • 検察官に対し、「まるで被告の弁護人のようで信用できない。あなたに事件を担当してほしくない」と告げた。

 ことのようです。

  なにぶん、情報がすくないので、なんとも言えない点がありますが、本件は、検察官のコミュニケーション不足が根底にあるようにも思えます。

 検察官は、法の規定をきちんと説明していたのか、それがこの問題の本質のような気がします。(彦坂)

2013年

6月

18日

「被害者」情報の開示(2)

 刑事手続は、国が個人を処罰しようとする手続きです。その対象とされた個人には、十分な防御権が保障されなければなりません。いちばんの当時者である被告人は、証拠やそのほかの情報について、知ることができるというのが大原則であるべきです。
 もちろん、例外的に、被告人が知ることについて、制限が加えられることもあります。

  • 被害者等の名誉若しくは社会生活の平穏が著しく害されるおそれがあると認めるとき
  • 被害者若しくはその親族の身体若しくは財産に害を加え若しくはこれらの者を畏怖させ若しくは困惑させる行為がなされるおそれがあると認めるとき

 このような場合、検察官は、弁護人に対して、被害者特定事項が被告人に知られないように求めることができます。刑事訴訟法299条の3の規定です。

 

 本件は、このような「おそれがあると認める」場合だったのでしょうか。このような「おそれがあると認める」場合でなかったのなら、被告人が知ることは、制限されるべきではありません。

 もし、このような「おそれがあると認める」場合であり、それが根拠あるものであれば、検察官は、弁護人に対して、情報を開示した上で、被告人に知られないように求めればよかったのです。


 刑事訴訟法299条の3 検察官は、第二百九十九条第一項の規定により証人の氏名及び住居を知る機会を与え又は証拠書類若しくは証拠物を閲覧する機会を与えるに当たり、被害者特定事項が明らかにされることにより、被害者等の名誉若しくは社会生活の平穏が著しく害されるおそれがあると認めるとき、又は被害者若しくはその親族の身体若しくは財産に害を加え若しくはこれらの者を畏怖させ若しくは困惑させる行為がなされるおそれがあると認めるときは、弁護人に対し、その旨を告げ、被害者特定事項が、被告人の防御に関し必要がある場合を除き、被告人その他の者に知られないようにすることを求めることができる。ただし、被告人に知られないようにすることを求めることについては、被害者特定事項のうち起訴状に記載された事項以外のものに限る。

(彦坂)

2013年

6月

18日

「被害者」情報の開示(1)

 地検川崎支部が、強制わいせつ被告事件の被害者とされる女性の住所が出ている証拠を、マスキングしないで弁護人に開示したことを問題視するかのような報道がなされています。地検川崎支部は、被害者とされる女性に謝罪したようです。

 しかし、本件では、被害者とされる女性に対する証人尋問が行われているようですから、刑事訴訟法299条1項の規定により、この女性の住所は、弁護人に開示されなければなりません。弁護人には、証人尋問に先立って、事情聴取等をするため、証人にアクセスする機会が保障されなければならないのです。

 この報道が、被害者とされる女性の住居が弁護人に開示されたこと自体を問題視するとすれば、おかど違いというほかありません。

 地検川崎支部や、地裁川崎支部が、弁護人に対して、「弁護人は、被害者を特定できる事項を、被告人にはナイショにします」という誓約書の提出を求める、などというおかど違いのことを始めないか、心配です。(彦坂)

2013年

6月

15日

当番弁護

 当番弁護で川崎警察署に行ってきました。当事務所から川崎警察署は近いので、10分かかりません。

 どうやら、勾留質問時に国選弁護人と当番弁護士をダブルで要請したようで、私に当番弁護の連絡が来たときには、すでに被疑者国選弁護人が選任されていました。私選弁護人を、ということでもなく、呼べるから呼んだということでした。被疑者国選弁護制度ができてからは、こういうことは結構あります。こういう場合、他に弁護人がいて、自分は弁護人にならないわけですから、自分の発言が混乱をきたさないように注意が必要です。それでも、いろいろお話しているうち、2時間ほど接見していました。(彦坂)

2013年

6月

02日

接見の待ち時間

今日は日曜日ですが、川崎市内の某警察署に接見に行ってきました。警察署で接見までに1時間以上も待つはめに。接見にこんなに待つのは久しぶりです。(彦坂)

2013年

5月

27日

最終弁論そして接見

 午前、8回の公判を重ねた事件の最終弁論がありました。

 午後は、別事件で、多摩警察署に接見に行ってきました。(彦坂)

2013年

5月

21日

ホームページ作りました

思うところあって神奈川法律事務所刑事弁護特設サイトを開設しました。

時間もなかなか取れないのですが、他人任せにせず、少しづつでも内容を充実させていけたらと思っています。(彦坂)

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